判例:雇用契約のない職人

職人に対し支払った報酬は外注費ではなく給与に該当するとした裁決 (昭和58年3月23日 国税不服審判所)

請求人が支払った報酬は一人親方に対するものであって、外注費として取り扱うべき旨請求人は主張するが、本件報酬について、各職人の労務の提供は、職人個々の独立した事業として行われたものとは認められず、かつ、その労務の提供の対価は基本賃金のほか時間外勤務手当等の支払基準により支払われていることからして、請求人と職人との間の雇用契約書の作成はないものの、その実質は請求人がこれら職人を雇用の上、その就労の対価、すなわち給与等として支払ったものと解するのが相当である。また、仮にこれら職人が請求人主張の一人親方に当たるとしても、その支払う報酬が当該親方の危険と計算によらず、請求人の指揮監督の下に提供された労務の対価としての性質を有するものであれば、所得税法第28条第1項に規定する給与等に当たるとみるのが相当である。

1)会社と職人は雇用契約書を取り交わさず、就業規則等の定めもないが、各職人の日給額等は各人の経験能力等に応じて会社が判断の上決定していた

2)報酬は会社が作成した出面帳により日々の稼働状況を把握し、各月の労働日数等を賃金台帳に収録し日給等の支払基準により計算している

3)会社の指揮監督を受け、会社から材料、用具等の供与を受けている

4)会社が仕事の結果について一切の責に任じている