一人親方労災保険とは? 労働者の「労災保険」と何が違う?

労災保険制度は、労働者の業務上の事由または通勤による労働者の傷病等に対して必要な保険給付を行い、あわせて被災労働者の社会復帰の促進等の事業を行う制度です。その費用は、原則として事業主の負担する保険料によってまかなわれています。

労災保険は、原則として 一人でも労働者を使用する事業は、業種の規模の如何を問わず、すべてに適用されます。なお、労災保険における労働者とは、「職業の種類を問わず、事業に使用される者で、賃金を支払われる者」をいい、 労働者であればアルバイトやパートタイマー等の雇用形態は関係ありません。

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「労災保険」とは

労災保険法は、正式には「労働者災害補償保険法」と言い、「労災保険」に係る法律です。労災保険は、労働上の事由または通勤に起因する病気や怪我に対して必要な保険給付を行い、被災労働者の社会復帰や遺族の支援、労働者の安全・衛生の確保を目的とした制度です。

パート、アルバイトを含めた労働者を1人でも雇用している事業主は加入が義務付けられいます。業種や規模、雇用形態を問いません。労災保険の保険給付は、全額会社が負担する保険料によって賄われています。労災保険に加入するのは労働者ではなく事業主で、労災発生時に保険給付を受けられるのは労働者です。労災保険は、労働者を対象とした保険制度のため、経営者や役員、個人事業主は保険給付の対象ではありません。

労災保険法では、労災保険の補償内容や加入・給付対象、労災年金給付等の算定基礎について定められています。労災保険法に関連する法律に「労働保険の保険料の徴収等に関する法律」、通称「徴収法」があります。この法律には労災保険料について業種ごとに細かく示されています。

労働基準法の「災害補償」との違い

労災保険法に加え、労働者を保護するための法律が「労働基準法」です。労働基準法では、労働者を不当な労働から保護するために労働契約や賃金、労働時間、休日および年次有給休暇などの、労働条件の最低基準が定められています。その中に「災害補償」に関する規定もあり、第75条、第84条に次のように記されています。

労働基準法
第八章 災害補償
(療養補償)
第七十五条
労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかった場合においては、使用者は、その費用で必要な療養を行い、又は必要な療養の費用を負担しなければならない。

労働基準法では、労働者が業務上の事由によって傷病を患った場合は、会社の費用負担で療養費用を補償する義務があります。一方、同法第84条には次のようにも記されています。

労働基準法
第八章 災害補償
(他の法律との関係)
第八十四条
この法律に規定する災害補償の事由について、労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)又は厚生労働省令で指定する法令に基づいてこの法律の災害補償に相当する給付が行なわれるべきものである場合においては、使用者は、補償の責を免れる。

労災保険法の定めに従い労災保険に加入し、適切な保険給付が受けられる場合は、使用者は補償の責任を免除されると規定されています。保険給付によって、労働基準法に定められた災害補償を確実に受けられるように制定された法律が労災保険法なのです。

労災保険における労働者

労働者災害補償保険とは「業務上の事由、事業主が同一人でない二以上の事業に使用される労働者(職業の種類を問わず、事業に使用される者で、賃金を支払われる者)」と定められており、パートやアルバイト、日雇労働者といった雇用形態は問いません。一方、経営者や役員、個人事業主などは労働者に該当しないため、基本的には保険給付の対象外です。これらの役職に就いていても、一般労働者に準じた労働に従事している場合は労災保険に「特別加入」することで、保険給付を受けることができます。

保険給付の対象となる者保険給付の対象とならない者
・正社員・契約社員・派遣社員・パート・アルバイト・日雇労働者など・経営者・社長・役員・自営業者・個人事業主・一人親方など

「一人親方」とは?

一人親方はいわゆる個人事業者の一種であり、労働者を雇用せず、自身や生計を共にする家族(専従者)だけで事業を行う者を指します。
建設業における大工や左官職人、鳶職人や、鉄筋や型枠、内装工事を担う一人親方もいます。

一人親方は新人からベテランまで技術力に幅があるため、国土交通省のガイドラインにおいて実務経験年数等によって基準が設けられました。
一人親方の「適正」の定義は、10年以上の実務経験、他の建設会社からの信頼があり、経営力もある場合を指します。

請け負った仕事を、自らの責任で完成させる技術を持つのが一般的な一人親方です。
一方で「偽装一人親方」と呼ばれる技術者もおり、労働者と同等の働き方が問題となっています。

働き方によって異なる一人親方

請負としての一人親方

請負としての働き方に近い「一人親方」は仕事の裁量が全て自身にあります。そのため工事請負後の出来高で収入が決まります。

請負としての働き方は仕事の分だけ稼げるだけでなく、依頼された仕事の単価が安い場合は断って他の仕事を選ぶこともできます。
無理のない範囲で請負う仕事が調整でき、現場が早く終わればそのまま帰宅できます。また、会社に所属しないことで人間関係のしがらみがありません。

労働者としての一人親方、「偽装一人親方

労働者としての働き方に近い「一人親方」は、建設会社から指示を受けて業務にあたります。
そのため、出来高制ではなく日給または1時間当たりの単価による収入を得ることが多いです。建設会社によっては専属的に一人親方を抱えていて、何年か毎に更新する場合もあります。

一方で、建設会社は社会保険料などを負担せずに済むように、技術者を独立させて一人親方とする場合があります。
これは「偽装一人親方問題」と言われ、会社に所属する労働者と変わらない働き方で、会社の保障は無いという状況です。

一人親方労災保険とは?

「一人親方労災保険」の「一人親方」とは、従業員を雇わずに、個人で仕事を請け負っている自営業者のことをいいます。主に建築業において多く見られる形態で、会社員などとは異なり、「労働者」ではなく、いち「事業主」としての扱いになります。

そのため、従来は労働者を対象として作られた労災保険には加入できず、職場でなにか労働災害が発生したとしても、元請け企業からの労災保険の適用が受けられない状況でした。

しかし、「事業主」という肩書きであっても、実態は「労働者」に極めて近いことから、「事業主」も労災保険に入れるようにするべきだ、と「一人親方」であっても労災保険に特別に加入できるようにと作られたのが「一人親方労災保険特別加入制度」、通称「一人親方労災保険」です。

特別加入の申請手続

中小事業主↗

労働保険事務組合を通じて「特別加入申請書(中小事業主等)」 を所轄の労働基準監督署長を経由して労働局長に提出し 、その承認を受けることになります。

一人親方 ↗

特別加入団体を通じて「特別加入申請書(一人親方等)」を所轄の労働基準監督署長を経由して労働局長に提出し、その承認を受けることになります。
※特別加入団体は全国に3173団体あります。(令和2年現在)

お問い合わせ・お申込み

  • ※元請工事のない事業所のみとさせていただきます。元請工事がある事業所はお受けすることができません。
  • ※雇用保険関係の手続きは原則行っていません。ご相談ください。
  • ※社会保険労務士報酬は、いただきません。
  • ※会費を安くしていますので、一括払いのみとさせていただきます。