一人親方は雇用保険に加入できるのか?

会社を急に退職することになったとき、失業保険や再就職のサポートが受けられれば、次の生活への仕切り直しがとてもスムーズに進みます。これらの失業保険や再就職支援サポートは、国が定めている雇用制度によって成り立っています。

 では、個人事業主である一人親方の場合、廃業の際などに利用できる、雇用保険のような制度はあるのでしょうか?いざというときのための安心が気になる方は、ぜひチェックしておきたいところです。

一人親方が雇用保険に加入?

雇用保険制度は、労働者が失業した場合などに必要な給付を行い、労働者の生活及び雇用の安定を図るとともに再就職の援助を行うことなどを目的とした雇用に関する総合的な機能をもった制度です。では、個人事業主である一人親方の雇用保険は、どのようになっているのでしょうか?

雇用保険とは?

雇用保険は政府が管掌する強制保険制度です。(労働者を雇用する事業は、原則として強制的に適用されます)

一人親方は個人事業主であるため退職や解雇自体ありませんが、それでもケガや病気で働けなくなることや、収入が著しく不安定であるリスクに対する備えは必要です。
 一人親方労災保険は、業務中のケガ・病気・死亡を幅広くサポートしてくれる、国の保険制度です。必須ではないものの、一人親方労災保険に加入することで、心理的・物理的にとても安心できるでしょう。

雇用保険(失業保険)とは、労働者を雇用する会社に対して、強制的に適用される保険制度のことです。

労働者を雇用する会社は、すべて「適用事業」とみなされるので、雇用側・労働者側の双方が労働保険料を納付する必要があり、雇用保険法に基づく各種届出を行わなければなりません。

雇用保険には大きく分けて2つの役割があり、「失業・休業時における労働者の金銭的補助(失業給付)」や、「失業予防のための福祉増進」を目的としています。

後者の「失業予防のための福祉増進」とは、具体的にいうと、ハローワークなどでの再就職支援や就労支援、職業訓練などが挙げられます。

一人親方は加入できるのか

退職した際、失業給付や職業訓練が受けられるなど、雇用保険に加入すればかなりの安心が得られます。しかし、雇用保険は会社員などを対象とした制度であり、個人事業主である一人親方は加入できません。

失業したときや廃業したときに受けられる、国の補償制度はありません。

労災保険は加入できるのか ……「特別加入とは?」・・・

労災保険とは、業務中のケガ・病気・死亡などに対して、療養補償・介護補償・休業補償・遺族補償などの、補償が得られる制度です。労災保険も本来は、会社員など労働者を対象とした制度です。

特別加入制度とは、労働者以外の方のうち、業務の実態や、災害の発生状況からみて、労働者に準じて保護することがふさわしいと見なされる人に、一定の要件の下に労災保険に特別に加入することを認めている制度です。

雇用保険に加入できない一人親方は労災保険への特別加入を!

一人親方労災保険のメリットは、以下のとおりです。

  • 業務中や通勤中のケガや病気によって、病院などで治療を受ける際の自己負担が無料になる
  • 業務中や通勤中のケガや病気によって、就労不能になったときに、休業補償が受けられる
  • 業務中や通勤中に死亡した場合、遺族などに対して、一時金や遺族年金が支払われる

一人親方労災保険は、国が運営する制度であるため、とても補償内容に優れた保険制度です。

一人親方は個人事業主であるため、ケガや病気で働けなくなることや、収入が著しく不安定であるリスクに対する備えは必要です。
一人親方労災保険は、業務(通勤)中のケガ・病気・死亡を補償する国の保険制度です。