一人親方の皆さん!「土木一式工事業」で建設業許可!

総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物を建設する工事とされています。補修、改造又は解体する工事はこれに含まれるとされています。土木工作物について、ほかの専門工事で行う必要のないものや、総合的に企画や調整が必要な工事についてはこの区分にて扱います。

『土木一式工事』の種類とは?

土木一式工事の定義
総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物を建設する工事(補修、改造又は解体する工事を含む。)

「原則として元請の立場で(=発注者から直接)請け負う工事」のみが『土木一式工事』の定義とされます。

つまり、一人親方の皆さんが『下請』として請け負う工事は(原則として)『一式工事』と成り得ない、ということです。

具体的な工事の内容

原則として元請業者の立場で総合的な企画、指導、調整をもとに土木工作物を建設する工事であって、複数の下請業者により施工される大規模かつ複雑な工事のことを言います。

具体的には、

道路、歩道、自転車道、ダム、トンネル、橋梁、防波堤、水路、下水路の新設・拡幅・改修・解体工事、電線共同溝工事、下水本管・ガス本管敷設工事、擁壁工事、法面保護工事(法枠工法によるもの)、宅地造成工事(粗造成のみの請負を除く)、など

『経営業務の管理責任者』要件を満たすこと

『経営業務の管理責任者』は建設業許可取得に必須の要件ですが、『土木工事業』の経営経験は原則として『元請の立場』での請負工事でなければ、『土木一式工事』の「経営経験有り」とはみなされません。また、『土木一式工事』は一般的に請負金額が高額になりがちですが、『500万円未満』の工事でなければ許可取得前の経営経験として認められません。

なお、次の要件のいずれかを満たせば『経営業務の管理責任者』になることができます。

経営業務の管理責任者の要件


1.『土木工事業』を営む会社で役員(取締役)として5年以上の経験がある

  • 建設業許可保有会社であれば、建設業許可通知書のコピーと5年間以上の役員期間の記載されている登記簿謄本(履歴事項全部証明書)等で証明します。
  • 建設業許可を保有してない会社であれば、電機通信工事と明確にわかる工事請負契契約書、注文書、請求書等と役員期間の記載されている登記簿謄本(履歴事項全部証明書)等で証明します。
  • 複数の会社での役員期間の合算でも証明可能です。

2.『土木工事業』以外の工事業(業種)を営む会社で役員(取締役)として6年以上の経験がある

  • 建設業許可保有会社であれば、建設業許可通知書のコピーと6年間以上の役員期間の記載されている登記簿謄本(履歴事項全部証明書)等で証明します。
  • 建設業許可を保有してない会社であれば、工事請負契契約書、注文書、請求書等と役員期間の記載されている登記簿謄本(履歴事項全部証明書)等で証明します。
  • 複数の会社(複数業種での)での役員期間の合算でも証明可能です。

3.『土木工事業』を営む個人事業主として5年以上の経験がある

  • 土木工事業と明確にわかる工事請負契契約書、注文書、請求書等と5年間以上の確定申告書(原本提示)等で証明します。

4.『土木工事業』以外の工事業(業種)を営む個人事業主として6年以上の経験がある

  • 土木工事業と明確にわかる工事請負契契約書、注文書、請求書等と5年間以上の確定申告書(原本提示)等で証明します。

5.『土木工事業』を営む会社又は個人事業主の元で6年以上の経営補佐経験がある

  • 工事請負契契約書、注文書、請求書等と6年間以上の確定申告書(原本提示)等で証明します。

上記の経験(経営管理経験と言います。)はいずれも建設業許可を持っていない事業者の元での経験で構いません。

建設業許可を取得するためには、原則として申請者の役員のうちの一人(または個人事業主本人)が上記の『経営業務の管理責任者』要件のいずれかを満たし、その者が『主たる営業所』に『常勤』している必要があります。

『専任技術者』要件を満たすこと

なお、次の要件1~3のいずれかを満たせば『専任技術者』になることができます。

1.対応する『資格』を持っている

土木工事業の対応資格
・1級土木施工管理技士
・2級土木施工管理技士(種別:土木)
・1級建設機械施工技士
・2級建設機械施工技士(第1種~第6種)
・技術士『建設・総合技術監理(建設)』
・技術士『建設「鋼構造物及びコンクリート」・総合技術監理(建設「鋼構造及びコンクリート」)』
・技術士『農業「農業土木」・総合技術監理(農業「農業土木」)』
・技術士『水産「水産土木」・総合技術監理(水産「水産土木」)』
・技術士『森林「森林土木」・総合技術監理(森林「森林土木」)』
※「 」は『特定』建設業の専任技術者(及び『監理技術者』)となりうる国家資格です。

2.『指定学科』を卒業し、かつ、一定の『実務経験』がある

土木工事業に関する『指定学科』は次のとおりです。

土木工事業の指定学科
土木工学(農林土木、鉱山土木、森林土木、砂防、治山、緑地又は造園に関する学科を含む)、都市工学、衛生工学又は交通工学に関する学科
卒業後に必要となる『実務経験』期間は次のとおりです。

卒業後に必要な実務経験期間
高校もしくは中等教育学卒業の場合、卒業後5年以上の実務経験
大学・高等専門学校卒業の場合、卒業後3年以上の実務経験

3.10年以上の『実務経験』がある

『土木工事業』にかかる建設工事の実務経験が10年以上あれば、『専任技術者』の要件を満たせます。

ただし、これは『経営業務の管理責任者』の経営経験と同様なのですが、『土木工事業』の実務経験は原則として『元請の立場』での請負工事でなければ、『土木一式工事』の「実務経験有り」とはみなされません。また、『土木一式工事』は一般的に請負金額が高額になりがちですが、『500万円未満』の工事でなければ許可取得前の実務経験として認められません。