一人親方の皆さんにとっての、「補償」「保証」「保障」との違い。
傷害保険などの商品案内を見ているとかならず目にするのは、「ほしょう」という言葉です。
「ほしょう」は、漢字では「補償」、「保障」、「保証」と3の書き方がありますが、それぞれ意味が違います。
数ある同音異義語の中でも「保証」「保障」「補償」の3つの「ほしょう」は適切に使い分けられていないことも多く、誤用しやすい単語です。
「補償」、「保障」、「保証」は保険分野ではとても重要な言葉になりますので、それぞれの意味と使い方を正しく理解しましょう。今回は、「補償」、「保障」、「保証」それぞれの意味と違い、正しい使い方について説明します。
「補償」「保障」「保証」の意味
- 保証とは「責任」
- 保障とは「保護」
- 補償とは「償い」
3つの「ほしょう」の違い
「補償」の意味 「償い」
これらの「ほしょう」は、例えば生命保険や損害保険などの重要な契約書類にも使われるため、それぞれの意味や用法を正しく理解しておく必要があります。
仮に何らかの損が生じた場合に、損した分だけ埋め合わせすることが補償の意味です。「償う(つぐなう)」という字が含まれていることからも分かる通り、他人や物に与えた損害を金銭などで補った上で償うのが補償です。
「補償」には、補い、つぐなうという意味があり、他の人に与えた損害を金銭などで補う場合に「補償」を使用します。保険の分野では、自動車保険やバイク保険、火災保険、地震保険、旅行保険などの損害保険で「補償」が使用されます。
また損害保険会社が扱っている傷害保険、医療保険なども、「補償」が使用されることがあります。
また、労災保険(一人親方労災も)においても「補償」が使用されます。
「保障」の意味 「保護」
「安全保障」「社会保障」「人権保障」といった単語に利用される保障は、地位や権利などに害がないように保護して損害を与えないという意味です。地位や権利の侵害や大きな脅威から身を守ることと言い換えることもできます。
生命保険では、入院・手術や死亡など、所定の支払事由に該当した場合、被保険者やその家族を守るために保険金が支払われます。
このことを「保障」といいます。
「保障」には、不安や危害がないよう責任をもって請け合う意味や、一定の条件の下、ある状態が損なわれないよう保護するなどの意味があります。
保険の分野では、死亡保険(終身保険)、定期保険、医療保険、がん保険、介護保険など生命保険会社が取り扱う保険商品には「保障」が使用されます。
「保証」の意味 「責任」
「保証」とは、間違いなく大丈夫だ、確かだと請け負うことをいいます。
保証とは「保証人」「保証書」といった単語に代表されるように、人物やモノに対する責任を負うことです。つまり、保証とは「責任(を負うこと)」と理解しましょう。また、責任を持って「確かだと請け合うこと」という意味も含まれます。
パソコンやTVなどを購入したときに受け取る「保証書」からもわかる通り、「大丈夫である証」を意味するときに使用されます。
保険分野で「保証」が使用されるのは、老後の生活の安心を保証する年金関連の商品です。
被保険者の生死に関係なく、保証期間中に年金を受け取ることができる保証期間付終身年金や最低保証年金額について使用されています。