建設現場で働く一人親方の皆さんの働き方を確認しましょう!
建設業ではひとつの事業に多くの会社や個人が下請けに入って作業が行われます。雇用関係が複雑なので、労災保険の保険料は事業の元請け会社が一括して支払い、その事業に関わる全ての労働者は労災保険で守られることになります。
ところが人を雇わず個人で仕事を請け負っている一人親方の場合、現場で働きはするものの本人は経営者であるので労災保険の保護対象にはなりません。そこで一人親方の場合は労災保険に特別加入する手続きをとる必要があります。
もし労災保険の保護対象とならないまま労災に遭ってしまうと、治療費などは全て自腹で支払うことになり休業補償もありません。後遺症などが残って働けなくなってしまう可能性もないわけではありませんから、できるだけ自分の労働形態をきちんとチェックして、労災保険の対象外となっていないかどうかを確かめるようにしましょう。
あなたの働き方は本当に一人親方ですか?
「みんなで進める一人親方の保険加入 社会保険加入にあたっての判断事例集」(国土交通省) をもとに作成しました。
労働者性(大) | 一人親方性(大) | ||
1 | 一人親方へ急な仕事を依頼した時、親方は断ることができますか? | 自分に断る自由はない | 自分に断る自由がある |
2 | 一人親方の仕事が早く終わった時などに予定外の仕事を依頼した場合、親方は断ることができますか? | 自由に断る自由はない | 自分に断る自由がある |
3 | 一人親方には貴社の就業規則など服務規律を適用していますか? | 受けている | 受けていない |
4 | 一人親方の仕事の就業時間(始業・終業)は貴社が決めていますか? | 仕事先から決められている | 自分で決められる |
5 | 当日仕事が早く終わった時に自分の判断で仕事を終えることはできますか | 仕事を終えてよいかは、仕事先の了解が必要である | 自分の判断で仕事を終えることができる |
6 | 仕事が早く終わった時に、一人親方が自分で見つけた他の現場の仕事に行くことができますか? | 別の現場の仕事を行うことは許されない | 別の現場の仕事を行うこともできる |
7 | 工程調整上の指示や事故防止のための指示を除き、一人親方の日々の仕事の内容や方法はどのように決めていますか? | 毎日、細かな指示、具体的な指示を受けて働く | 毎日の仕事量や配分、進め方は自分の裁量で判断している |
8 | 一人親方の都合が悪くなり、代わりの者が必要となった場合はどのように対応していますか? | 会社が代わりの者を探す | 自分の判断で代わりの者を探す |
9 | 一人親方の仕事を代わりの者が行った場合の報酬(工事代金又は賃金)は、誰に支払いますか? | 代わりをした者 | 自分 |
10 | 一人親方の通常のミスや一人親方の責任による作業遅延によって損害が生じた場合、誰がその損害を負担しますか? | 仕事を依頼した会社が負担する | 自分が負担する |
11 | 一人親方が仕事で使う機械・器具(手元工具を除く)は誰が提供していますか? | 仕事を依頼した会社が提供する | 必要な機械・器具は自分で持ち込む |
12 | 一人親方が仕事で使う材料は誰が提供していますか? | 仕事を依頼した会社が提供する | すべて自分で調達する |
13 | 一人親方の報酬(工事代金又は賃金)はどのように決められていますか? | 一日当たりの単価など働いた時間による | 工事の出来高見合い |
※ あくまで簡易的なチェックですので、保険加入の必要性の有無を確定するものではございません。詳細につきましてはお問い合わせください。
※右に〇が多い場合は事業者性が強く、左側に〇が多い場合は一人親方ではなく雇用される労働者として判断される場合があります。